アルジェの戦い LA BATAILLE D’ALGER

映画情報

原題:LA BATAILLE D’ALGER

製作年:1966年

ジャンル:ドキュメンタリー映画(ただし記録映像は未使用)

監督:ジッロ・ポンテコルヴォ

上映時間:121分

あらすじ

1954年~1962年まで続いたアルジェリア独立戦争の前半を描いた映画です。

首都アルジェ・カスバ地区でアルジェリア独立を目指すFLN(アルジェリア民族解放戦線)が武装蜂起し、フランス空挺師団が介入した前後の戦いを描いています。

主人公アリはアルジェリアを食い物にする宗主国フランスに対して常に不満を抱いていました。彼はFLN参加の誘いを承諾し、テロ活動に従事します。

爆弾による無差別テロ、市民・警察官を狙った通り魔的な殺害などの拡大に危機感を抱いたフランス政府は、エリート師団の空挺部隊を派遣することに。

空挺師団の師団長マチュー中佐は徹底的なテロ対策でFLNを追い詰めて行きますが……。

みどころ

FLNの勃興

貧しいアラブ系住民は、裕福なヨーロッパ系住民(コロン)に搾取され、格差と不満を感じています。

FLNはそんな住民の全面的な支持を受け、時には子供や女性も実行者として様々なテロを起こし、コロンに脅威を与えます。

とはいえ130年続いている植民地支配というところもあり、最初はコロンも結構甘く、検問を引いたりしてはいるのですが、女性子供はノーチェックで通したりとかなりずさんです。

ただ、その結果被害はどんどん拡大していきます。

対するフランス側も関係のない市民を逮捕したり、爆弾で報復したりで反感を買い、泥沼の情勢に陥っていきます。

空挺師団の投入

FLNはこのテロを通じて国連でアルジェリア問題を取り上げさせ、植民地の内情を国際世論に知らせて独立を勝ち取るのが目的です。

しかしなんとか独立を阻止したいフランス側は、精鋭空挺師団を投入し、首都アルジェのカスバ地区に巣食うFLN殲滅に乗り出します。

このマチュー中佐の登場インパクトが強烈すぎます。エリート登場という感じです。実際、この人の登場でFLNに対するフランス側の作戦が徹底したものに変わっていきます。

フランスのバイクがドイツ製

多分BMWのR24かR25/3かな?
戦後ドイツのパンター戦車やヘッツァー駆逐戦車を使っていることだけあってフランス人は合理的ですね。

おいイタリア人!

この映画、フランス制作かと思いきや、イタリア・アルジェリア共同制作でした。

ベニス国際映画祭で金獅子賞を取った時はほとんどのフランス人が席を立ったとか。そりゃたった4年前に独立した元植民地の映画を、植民地側視点で描かれていたらそうもなりますわね。

この前の節操のない映画を作りつつ、こういう国際的にセンセーショナルな作品を作ったり、やはりイタリア人は色々な意味で偉大です。

評価

★★★★★

事実は小説よりナントカといいますが、やはり歴史モノは面白いです。

舞台となったカスバでロケし、アルジェリア人8万人が協力したというだけあって非常にリアリティがあって見ごたえがあります。

これで記録映像を一切使っていないというところに感服です。

ひとこと

第二次世界大戦後、世界で多くの国が独立しましたが、その道は長く険しいものでした。

特にフランスは本国をドイツに蹂躙されて嫌という程植民地の苦難を味わったと思うのですが、戦後ちゃっかりアフリカ・アジアの旧植民地回復を行います。

しかし枢軸国に負けたフランスに植民地側が素直に従うわけもなく、各地で独立運動が激化し、1954年にインドシナ半島のベトナム、ラオス、ミャンマーが独立。1955年にはアフリカ諸国も独立。その中で残されたアルジェリアも独立を目指して武装闘争を始めるのは当然の流れではありました。

映画では1958年以降から1962年の独立までの流れはバッサリ切られていますが、実際は国際世論とフランス大統領ド・ゴールの判断などドロドロとした思惑もあって独立が実現した部分もあります。

マチュー中佐のモデルになったであろう第10落下傘師団の指揮官だったジャック・マシュー将軍がド・ゴールに解任されるも、色々駆け引きあってド・ゴールの独立支持側に回るなど、このあたりの歴史の流れ調べてみると色々面白いです。

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